支那そば
2015.07.01
昔の日本映画でたまに、ラーメンを食べる場面がでてきます。
劇中では「支那そば」とか、単純に「おそば」なんて呼んでます。
これが、当たり前だけど今のラーメンとは全然違って…具はほとんど入っておらず麺と汁とシナチク(メンマ)だけ、というようなのが多いです。麺は細麺でコシはなく、俳優さんが噛むと簡単にブツッと切れてしまいます。
私は映画を観ていて「こんな味と食感なんじゃないかな〜」と日頃から想像をしていましたが、実際現代の日本でそんなラーメンにそうそう出会えるわけもなく、あくまでただの想像で終わっていました。
が、この昔の支那そばに限りなく近い(と思われる)麺を味わえる店を最近見つけたのです。
それはミスタードーナツ。
ミスタードーナツの飲茶メニューには結構たくさん麺類があるが、中でもシンプルな汁そばが一番「その気」になれるように思います。
コシがなくて噛むとブツッと切れる感じが、まさに邦画の中の支那そばを食べている気分にさせてくれます。
食べている場所がミスタードーナツなのがちょっと雰囲気を半減させる…でも食感はかなり近いと思います(あくまで想像です)。

お茶漬の味(1952) 小津安二郎監督

赤線地帯(1956) 溝口健二監督