Disney : EL TERRIBLE TOREADOR

2015.06.23

Silly Symphony No.2 「恐ろしい闘牛士」
公開:1929年(昭和4年)

タイトルバック
恐ろしい闘牛士クレジット 恐ろしい闘牛士タイトル

シリーシンフォニー第2作。

当時のディズニーは、1928年にOswald the Lucky Rabbit(しあわせウサギのオズワルド)の製作を手放し、ミッキーマウスを「蒸気船ウィリー」で成功させた直後で、大きなターニングポイントと言える時期にありました。新体制のディズニースタジオにとって、新しい二艘の船のうち、ひとつがミッキーマウス、ひとつはシリーシンフォニーだったと思います。

その2作目にあたる「おそろしい闘牛士」、作風は最初期の中では異色といって良いものです。
シリーシンフォニーは、作曲家のカール・ストーリングの「キャラクター重視ではなく、音楽が出発点である作品を作りたい」というアイディアから生まれたシリーズで、初期は単純に「音楽と映像の融合」というルールに乗っ取ったものが多いのです。
しかしこの「恐ろしい闘牛士」は、オズワルドやミッキーマウスと同じキャラクターカートゥーンの要素が強く、実験的要素があまりありません。
音楽は一応、全編にわたりビゼーのカルメンで統一されていますから、「音楽とカートゥーンの融合」というテーマの中でいろいろと試行錯誤があったことがうかがえます。

ところでこの「恐ろしい闘牛士」というタイトル。
原題そのままの直訳なのですが、どこが恐ろしいのかと聞かれたら「ラストで闘牛の口から手を突っ込んで内蔵をひっぱり出して倒すところ?」と答えるしかありません。
いろいろと不思議な作品です。

恐ろしい闘牛士-01

気になるところ
闘牛士とそのガールフレンドのウエイトレスが、スケベオヤジの兵隊に一泡吹かせ笑うシーンで、笑い声がヤンキードゥードゥル(日本ではアルプス一万尺として有名)のメロディーになっています。
この歌はwikipediaによるとイギリス軍が植民地のアメリカを馬鹿にして歌った歌で、Doodleとは「まぬけ」という意味だそうです。こういう場面で使われるということは、当時この歌はそういう意味の歌として、広く浸透していたのかな?と思います。
恐ろしい闘牛士3